こんにちは、シンです。
東海地方は梅雨が明けて連日の猛暑、こんな時は高い山に登って避暑といきたいところですが今週は仕事なので耐えなければいけないのです・・・
さて、先日ストーブの点検といってMSRウィスパーライト・インターナショナルの記事を書いて、
trekking.mountain-camp-cycling.com
この間の仙丈ケ岳登山の時にちゃんと登場しました。
でも周り見渡してもガソリンストーブ使ってる人なんてほぼいません。
いたのかもしれませんが私が見た限りではいなかったです。
ストーブの燃料
ストーブの燃料の種類は主にカセットボンベ缶 (CB缶)、アウトドア缶 (OD缶)、液体燃料 (無鉛ガソリン、ホワイトガソリン、灯油、etc) に分けられます。アルコールストーブも固形燃料ストーブもありますがそれらは今回置いておきます。
この3種の燃料それぞれの特徴を大雑把に言うと、
- CB缶:安い、入手容易、扱いやすい
- OD缶:扱いやすい、強火力、低温でも安定
- 液体燃料:安い、入手容易?、強火力、極低温でも安定
といったところでしょうか。
コスト無視すればOD缶のストーブが扱いやすく、軽量コンパクトで登山向きです。しかしOD缶250gサイズのものは1つ¥700以上するので、使うほどコストが嵩みます。使うシーンは基本夏山で、多少火力が犠牲になってもいいのであればCB缶のストーブが低コストでいいですね。
ガソリンストーブは火力と燃料コストの低さが魅力
しかし燃料コストであればレギュラーガソリンに敵うものはありません。
ラインアップ豊富なSOTOの商品の中から、この3種の燃料を使用した代表的なストーブを比較してみました。
字小さくてすみません汗
レギュラーガソリンの金額¥164/L、ホワイトガソリンの金額18L缶¥7,780で計算しています。
この比較表を見て分かる通り、ガソリンを燃料とするMUKAストーブが高火力かつ低燃料コストです。使用時間が短く感じますが、これを2,500kcal/hに出力を絞れば1.5h使えます。そもそも4,000kcal/hなんて高火力で使うことはよほどないでしょう。
ホワイトガソリンは割高ではありますが、それでもガス缶よりは安く済みます。
こういった状況からガソリンを燃料にするストーブは低コストと言われています。
しかし、そうでしょうか?
トータルコストを比較すると
こちらの表は初期投資金額も含めてのコスト推移を示した表です。
たしかに赤線のMUKAストーブは水平に近い線で、どれだけ使っても燃料コストは大したことありません。
ちくしょう、スクショにcopilotが主張してきやがった。
では、どれだけ使ったらMUKAストーブ (レギュラーガソリン) のトータルコストが他の2つを下回るかですが、
- 92,000kcal分使用したらMUKAストーブのコストはマイクロレギュレーターストーブ・ウインドマスターを下回る
- 297,000kcal分使用したらMUKAストーブのコストはレギュレーターストーブを下回る
と計算できました。ただこれでは具体的なイメージができません。
そこでカップ麺に使うお湯を例にして計算してみました。カップ麺1つを作るのに必要な水の量は約400mL、常温の水が20℃だとすると、
0.4 (L) x (100-20)(℃) = 32 (kcal)
となります。そこに熱効率を考慮します。だいたいコンロの熱効率は50%程度と言われているので、
32 (kcal) x 1/0.5 = 64 (kcal)
カップ麺1つ分のお湯を沸かすのに必要な熱量は64kcalとなります。この数値で先ほどの文章を書き改めると、
- カップ麺1438個分のお湯を沸かしたらMUKAストーブのコストはマイクロレギュレーターストーブ・ウインドマスターを下回る
- カップ麺4641個分のお湯を沸かしたらMUKAストーブのコストはレギュレーターストーブを下回る
となります。
どうですか?こうやってみるとコスト回収できるのはかなり先、むしろ回収困難では?とすら感じます。
ちなみに保証適応外使用ですが、レギュレーターストーブで1缶¥110の燃料を使ったのが緑の破線になり、これがトータルで見た時に最も低コストではないでしょうか。自己責任、ですけど。
コストがすべてじゃないストーブの世界
冷静にちゃんと計算して比べれば簡単に分かることです。重量や初期投資、扱いやすさを考えればガス缶タイプのストーブのほうがいいでしょう。だから山でもガス缶タイプのストーブが主流なのでしょう。
でも高かろうが、重たかろうが、操作が面倒であろうが、それに勝るカッコよさガソリンストーブにはあるんです。
たくましい燃焼音、美しく力強い炎、ガソリンの燃えるにおい。
どれも代えがたいガソリンストーブの魅力。これがガソリンストーブを使う理由です。
と、言いつつソロでは軽量化のためにアルコールストーブ使っていますがね。
このアルコールストーブというのも、壊れそうにない単純な作り、でもちゃんとお湯を沸かしてくれる。これはこれで本当に必要なところ以外をそぎ落とした機能美があって良いです。
こちらも30mLのアルコールで400mLのお湯が沸くので低コスト、と思っていましたが計算すると1回あたり¥24なので決して安くありません、むしろOD缶ストーブの倍くらいの燃料コストになります。
それでもこの極限ともいえるシンプルなデザインに惹きつけられてしまいます。
だからコストや性能だけじゃないんですよね、ストーブって。
火の美しさ、音の心地よさ、燃焼のにおい、感性に訴えてくるのがストーブです。
話がまとめられないんですけど、まあアレだ。
あれこれ計算なんてしないで直感を信じろ、Don't think, feel ! だ。
違うか??笑
それでは皆さん、Have a nice day !